郊外の大型ショッピングセンター、
かつてここは鹿の生息する美しい森でした。買い物客にそういった記憶を何らかの形で表現出来ないかと我々は考えました。そこで実際の周辺自然環境(天気・気温など)の微妙な変化をセンサーで読み取り、内部空間へ様々な表情を表す環境装置を配置することを試みました。

例えば、3月にショッピングセンター内のある場所で小鹿を映し出し、また同時に別の場所で桜の花びらを映し出します。それによりここを良く訪れる買い物客は、微妙な雰囲気の違いを感じとります。これらは常に現れているものではなく、自然環境の変化を読み取り出現させるものであり、偶発的なものです。

しかしながらこのとても儚いの束の間の体験が、普段は無意識のうちに通り過ぎるこの空間を意識的な空間に変化させるのです。
四季やかつての美しい森をここを訪れる人々が買い物をしている間に少しずつ無意識に感じることが出来るのです。

この鹿の映像は、ある瞬間はっきりと、またある時はぼんやりと現れます。そしてガラスや床に反射し、鏡の中をはしる姿などをみることができる。

ここでは、鹿の行動による『音』を聞くことができます。鹿の鳴き声、集団で歩く音、角をぶつけ合う音など。